OSASと逆流性食道炎の関係

近年欧米で注目されている合併症です。
当院でも43.1%の患者様が合併しております。
    胸腔内圧の陰圧化に伴い、GER症状が拡大すると考えられています。
auto-CPAPのマニュアルタイトレーションで軽減すると考えています。
日経メディカルMEDWAVEに報告されました。

心不全関連トピックス(from MedWave)

2005.7.7 【日本睡眠学会速報】睡眠時無呼吸症候群患者の4割超が胃食道逆流症を合併 肥満であるほど重症

 閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)患者の4割以上が胃食道逆流症(GERD)を合併しており、特にBMI(体格指数)が25以上の患者ではその頻度が高く、かつ重症であることが分かった。中川循環器科・内科OSASセンター(愛媛県松山市)センター長の中川真吾氏が、第30回日本睡眠学会定期学術集会のポスターセッションで発表した。

 OSASとは、睡眠時に上気道が閉塞することにより、無呼吸・低酸素状態になる疾患で、習慣性の激しいいびきや昼間の耐え難い眠気が特徴。交通事故の誘発や仕事の能率低下など社会的影響をもたらす。最近では、高血圧や心不全、脳血管障害との関係も指摘されている。

 中川氏らは、OSAS患者40人に対し、睡眠ポリグラフ検査(PSG)と夜間の気道内圧の測定に加えて、QUEST自己記入式質問表でGERDの症状を評価した。さらに、その中でGERDが疑われた症例に対して胃食道内視鏡検査を実施し、GERDの有無を確認した。

 その結果、OSAS患者40人中17人がGERDを発症しており、合併率は42.5%と高率だった。患者の平均AHI(1時間当たりの無呼吸と低呼吸の回数)は27.8OSASは中等症で、平均BMI28.9だった。なお、GERD合併者にH.ピロリ菌感染者はいなかった。

 OSAS患者40人を、AHI20以上・BMI25以上(A群)、AHI20以上・BMI25未満(B群)、 AHI20未満・BMI25以上(C群)、AHI20未満・BMI25未満(D群)の4群に分類すると、それぞれ25人、12人、2人、1人となった(表)。この中でGERD合併者は、それぞれ12人、3人、1人、1人であり、OSASが重症で、かつBMIが高い方がGERDを合併する可能性が高いことが示唆された。

表 OSAS患者におけるGERD合併者(人)

 

AHI

 

20以上

20未満

 

 

BMI(体格指数)

25以上

A群(12/25)

C群1/2)

 

 

25未満

B群(3/12)

D群(1/1)

 

 

 また、17人のGERD合併者の内視鏡所見をGERDの重症度分類(ロサンゼルス分類。グレードADの4段階)に当てはめたところ、今回の調査対象の中で、最もGERDの重症度がグレードCと高かった2人はともにA群だった。さらにグレードBでは、7人のうち6人がA群、残り1人がC群であり、A群で突出して重症患者が多いことが明らかになった。

 中川氏は「OSASでは、上気道が閉塞した状態で呼吸を行うため胸腔内が陰圧化する。その結果、胸腔内圧は、通常の−5hPa程度から、−40〜−60hPaまで低下して胃の内容物が逆流しやすくなり、GERDを発症すると考えられる。この症状は肥満によってより顕著になるのではないか」と話す。また、同氏は、GERD合併者の約3割を占めた肥満度の低い患者については、顎が小さい、奥まっているなど、骨格の形態により気道が狭くなるために、同様の症状を引き起こすのではないかとしている。(富田文、日経メディカル